カテゴリー別アーカイブ: 002 長谷川踏太

⑪ 〈ブランディング〉


TYPEプロジェクトのカタログ

TYPE
フォントをモチーフにデザインされた眼鏡シリーズ、TYPE。ロゴや広告やキャンペーンといった一般的な方法でなく、商品開発そのものをブランディングに直結させた試みとして新しい。また、W+Kにおけるプランニングの役割がよくあらわれているケースだろう。
TYPEはかならずしも商品を売ること自体が目的ではない。TYPEプロジェクトのコンセプトは「メガネを選ぶ経験を新しくしたい」。眼鏡に、フォントというキャラクターと、ミディアム/ボールド/ライトという太さのファミリーをあたえる(眼鏡業界初の試みである)。それによって、商品の消費体験自体を媒体として広告化したのだ。
TYPEは海外で販売されていないが、ニューヨークADC賞を受賞するなど、広告として評価されている。
「AppleのUIはブランディング」「広告はプロダクトやサービスに溶けていく(商品の購入方法、支払い方法などの劇的な変化)」と語る長谷川の実践としてわかりやすい。

⑫〈承認フロー〉

ケース・バイ・ケース
W+K Tokyo内部に厳密な承認フローはないが、最終的なチェックを長谷川とパートナーのMike Farrが負っている。依頼主との承認フローはケース・バイ・ケースで探る。
近年のW+K Tokyo独特のユルさやヤワラカさは、長谷川によるところが大きいのではないか。「150km/hの速球投手より135km/hで防御率低い人が好き」「強いトーンによって誤解されるリスクが嫌い」「ここで無理して闘わなくていいじゃんって思う(戦いどころにこだわる)」「100%は目指さない。70%よければいい」といった長谷川の姿勢が反映されているのか。