タグ別アーカイブ: 問題

問題

⑩〈問題〉


「政治献金使用を禁じる」のスタンプを推した紙幣。(紙幣へのスタンプ押印は違法でない。)
「全米の紙幣にこのスタンプを押したい」ワイデン氏の個人活動である。
 http://www.stampstampede.org/

ベン& ジェリーズ
ベン・コーエンとジェリー・グリーンフィールド、“落ちこぼれ”2人組がポケットにあった5ドルで、通りすがりの「アイスクリームの作り方講習会」を受けた。そこで得た知識で立ち上げたのが、ベン& ジェリーズ。米国最大手のアイスクリームブランドである。
「社会を良くするために何かしたい、しかも楽しい方法で」、という漠然とした考えを持つ二人のヒッピーの若者が、たどり着いたのが「アイスクリームを売ることで社会問題に対する意識を広げる」という方法だった。B&Jのアイスクリームは、材料も、放し飼いされている牛からとれた牛乳や、元囚人が社会復帰のために働いているベーカーリーでつくられたクッキーチャンクなど、社会的観点で良いものを仕入れている。その結果商品が割高になってしまっても、よい農場やよいベーカリーに資本がながれていくことで、ビジネスを行いながら良いサイクルをつくっていくことができ、その結果、この世の中を良くしていくと考えている。
この思想性が広く受け入れられ、現在では世界的な社会的企業(ソーシャル・エンタープライズ)として知られる。
W+K Tokyoが手がけたベン& ジェリーズの最初の仕事は、「選挙に行ってアイスをもらおう」キャンペーンだ。これが見事に成功する。若者の投票率の低さが社会問題化している日本だが、国内のクリエイティブから、軽妙かつシニカルに選挙をイベント化する発想はなかなか出てこない。日本の状況に精通しつつ外的視点をあわせもつ、W+K Tokyoならではだ。
W+Kは、たとえばタバコ産業や東電など、不正企業の仕事を受けないと決めている。ベン&ジェリーズをはじめ、資本主義のサイクルを内側から変える可能性をもつ企業と積極的に関わっている。

⑮〈問題〉


『PARIS PHOTO 2015会場マップ』

デザインに何ができますか?
週末の木金土日4日間の予定で開催された「Paris Photo 2015」は、同時多発テロにより土日の2日が中止された。町口にとっては、まっすぐ行ってまっすぐ帰る『マッドマックス 怒りのデスロード』のような旅となった。例年、「Paris Photo」はブックショップMの年間売上1/3を占めていたが、今年は散々な結果となった。

 ———————————-

 弦人さん
 
 無事です。 かなり大規模なようです。
 事務局からの連絡待ちで宿舎に待機していますが、パリフォトは中止になると思います。

 デザインに何ができますか?

 助言ください。
 よろしくお願いします。

 町口覚

 ———————————-

 町口
 
 まずはよかった!
 マジで。

 助言になるかもわからんが、
 状況を見ろ。
 オイラには現場感がまったくないから、町口の目でよーく見ろ。

 その上で、オイラなら、なんとかしてパリフォト関係の写真家から現場の写真を集め、
 パリのオンデマンド印刷所にぶち込み、パリフォトの記録として置いて帰る。
 もちろん、テロ現場の写真でなくていい。
 今のパリを、パリの空気を、そこに居合わせてしまった「パリフォト」を。

 手伝えることがあれば全面的に協力するから何でも言え。
 つーかヤレ!

 ———————————-

テロ当日、町口からの無事を伝えるメールと、即レスで答えた内容。この判断が正しかったのか、デザインに何が出来るのか、今も答えはわからない。
「現地カメラマンに撮影依頼をしたけどまとめられるものにはならなかった」と松本にメールを送り、町口は「Paris Photo 2015」を終えた。

DeSs前文

DeSs

「エンブレム事件」は、グラフィックデザインにまつわるさまざまな問題を露呈しました。しかし、問題の多くは「我々(デザイナー)がサボってきたこと」に起因しているように見えます。我々は、人との関わりをサボり、生活との関わりをサボり、社会との関わりをサボってきた。自分と依頼主とデザインという三角関係だけに注視し、デザインは「解決方法」であり「表現」であると都合よく使いわけ、災害/安保/難民/先人の歴史をデザイン的に看過した。結果、「伝わる説明」や「的確な批評」のための土壌を築くことができず、「エンブレム事件」で噴出した「稚拙でゆがんだ民意」にすら向き合うことができなかった。目の前にはやらなければならないことが山積みです。すでに行動を起こしている方々もいらっしゃいますが、グラフィック体系考察の土壌再構築に着手し、社会への理解を広げないかぎり、本質的な解決には繋がらないと強く感じています。「エンブレム事件」以前から存在する「絶滅危惧種グラフィックデザイン」問題に向き合うために、または、「向き合う意義の有無」の検証のために、勉強 Bar「DeSs(デス)」をはじめます。