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設計

⑦〈設計〉

『Dazai Daido』Osamu Dazai + Daido Moriyama[英][日][中](bookshopM/2014年)
『Dazai Daido』Osamu Dazai + Daido Moriyama[英][日][中](bookshopM/2014年)

同フォーマット
『Dazai Daido』は[英語版][日本語版][中国語版]の三種類がつくられた。最初にデザインしたのは英語版だ。それぞれ文字量の異なる本文を、文字組のサイズと行間の調整によって同じページ数に収め、[日版][中版]にも[英版]の写真の版をそのまま流用できるように設計した。ちなみに版面も[英版][日版][中版]でそろえている。写真版の墨は印圧を上げるために、本文の墨版を別にもうけ、墨(写真)+薄墨(写真)+墨(本文)の三色刷りとした。

⑩〈設計〉

『encounter』Katsumi Omori(bookshopM/2007年)
『encounter』Katsumi Omori(bookshopM/2007年)

菊版Z折
ブックショップM初の写真集は『encounter』Katsumi Omori(bookshopM/2007年)だ。
写真集が商品として立ち行かなくった00年代、町口は用紙の協賛を得てこの本を出版した。協賛に応じてくれたのは韓国のトリパイン社。[トレイディング トリパイン シルク 菊判縦目]という珍しい仕様の用紙を提供してくれた。逆に言えば使い勝手の悪い菊判縦目を掴まされたわけだ。
町口は菊版縦目2枚でつくれる写真集を設計した。
『encounter』の300×285mm(1:1.052)という12incアナログ盤に近い判型は、菊判[Z折]で12頁をギリギリ取ることができる。菊判2枚で24頁の本文をまかない、表紙は菊判1枚から3面取っている。[Z折]は本文がヨコに3枚並ぶので[片観音(3連頁)]にすることができる。本文に[片観音]を挟み込み、24頁という少ないページ数でありながら、立体的な構成にできるよう設計されている。
12incアナログ盤判型24頁というこの造本仕様は、後に用紙とサイズを若干変えブックショップMの定番シリーズとなった。