3の倍数
「おおよその書籍が3×3mmの正方形グリッド」(町口)
「それはグリッドでなく方眼」(松本)
町口は、A列の判型を完全に割り切れるグリッドとして3mmグリッドを活用する。ブックショップMの本を実測してみたところ、確かに、3mm、6mm,9mm…と、3の倍数の数値が非常に目立つ。均等割の正方形グリッドの場合、紙面を7分割から15分割するのが一般的な方法と言われているが、対して町口のやり方——A4を3mmグリッドで分割すると、短辺70分割、長辺99分割という珍しい細かさになる。
「本文設計というより、写真のためのグリッドとして活用してる」(町口)
写真トリミング、ページに対する図版のバランス基準としての方眼グリッドであればこの細かさは納得がいく。
以前、立花文穂に8×10カメラ購入の動機を聞いたところ、
「卓上活版印刷機のサイズとほぼ同じだったから」(立花文穂)
と即答し、
「6pの活字を置いてくように、8×10のファインダーに光の粒子を配置するように撮影する」
と続けた。
活版のポイントがひとつの単位として確立されている立花文穂らしい言葉だ。