④〈模倣〉

理解
多くの模倣はアイデアの盗用として表出する。単純にいえば、「見た目」が似ているというものだ。しかし「理解」の模倣は聞いたことがないし、「理解」は模倣できないものではないか。すくなくとも「見た目」のように技術的に模倣できるものではないだろう。
W+K Tokyoは徹底したリサーチ&プランニングを通じて、〝ブランド・ボイス〟を導き出す。そのプロセスで得た「理解」を、ワークフローの全行程の基盤に置いて浸透させる。アウトプットにおのずと、その「理解」があらわれる。
 W+Kのオリジナリティは「理解」にあるのではないか。この製作フローなくして、W+K独自のコンセプト、アイデア、デザインは生まれない。
製作物が既存のものと似ていると気づいた時点で、W+Kは即座にそれを却下するそうだ。世界各国のデザイン・広告コンペの審査員をつとめる上層部がチェック機能を負うとともに、システムとして自立性の高いW+Kは、フロー中途の路線変更のリスクを厭わずにいられる。パクリを生んでしまうことのほうがリスクだ、そう長谷川は言った。

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