『TERAYAMA DAIDO』Shuji Terayama + Daido Moriyama[英][日](bookshopM/2016年)
見慣れぬ[キンマリ]
[ハイブリットUV印刷]で印圧をマックスまであげる(通常1.8のところ2.45に)。これは一般的な書籍用紙[キンマリ]の限界を超えており、用紙の表面が剥離してシリンダーに付着する[ムケ]がほぼ全ページに起きる。クライアント仕事では考えられない仕上げだが、クライアント兼デザイナーの町口はそれを良しとする判断が自在にできる。
書籍製作に携わる方はこの本の用紙に違和感を感じるのではないだろうか。見慣れた[キンマリ]では見たことのないくらい強く絞まった墨べたと、その強い印刷に対してまるで文庫版のような軽快すぎるめくり心地という奇妙なバランスからくる違和感。[キンマリ]が新製品の高級ファインペーパーに見えるような造りが、この本の商品性を決定づけているのではないだろうか。