④〈グリッド〉

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『here and there』(nieves/2002-2016)

ノーグリッド
「グリッドは一度も使ったことがない」(服部)
いきなり衝撃発言が飛び出す。
『here and there』(nieves/2002-2016)のような、まるまる雑誌一冊の設計でもグリッドは使わない。版面は一応は設定するが、それも無視してデザインすることが多いという。
雑誌デザインは時間との戦いでもある。多くのデザイナーはグリッドレイアウトを使うことででスピードを稼ぎ、一冊の統一感を担保するのだが、確かに、下手にグリッドに縛られるより、見た目と感覚でポンポン決められるノーグリッドという方法には別の魅力がある。服部の大胆なデザインはノーグリッドだからこそ生まれるとも言える。
注意点としては、グリッドを使わずにページ物の統一感と強度を得るには、音楽で言うところの「絶対音感」のような能力が必要になるということだろう。仮に「絶対形感」と名付けてみる。

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