⑭〈ブランディング〉


『STARS AND STRIPS』Katsumi Omori(bookshopM/2009年)

レーベルとしての統一感
「表紙のパターン、2種類くらいだよね」(松本)
「いや5種類はある」(町口)
ブックショップMの書籍は、ノーブルでシンプルで似た印象のものが多い。長く静かに置かれ続けるようなデザインだ。8年に渡り「Paris Photo」に出店してきたことで、おのずと導かれたデザインだと町口は言う。「いろいろあると沈んじゃうんすよ、店としても、レーベルとしても」。「Paris Photo」のような様々なデザインの書籍が並ぶ場所ではレーベルとしてカラーのない出店者は印象が薄くなる。統一された表紙デザインはそれ自体がブックショップMのブランディングとして機能している。現在、ブックショップMはアジアを代表するレーベルとして認識されるまでになった。
一般的な取り次ぎによる短期集中配本型の書籍には、目を引く工夫や過剰なデザインが求められる。逆に、専門書店などを中心に配本される書籍には、長く置かれる商品性が必要だ。紙質、めくり感、綴じ具合、など感覚に訴えるデザインは効果的だと町口は言う。不織布や小口のギザ入れなどは、ブックショップMの代名詞になりつつある。
「Paris PhotoがなかったらブックショプMは続いてなかったよなぁ」(町口)

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